その間取り、本当に「暮らしやすい」ですか? ― 後悔する家は、図面の時点で決まっている

はじめに|「間取り」は、見た目だけでは判断できない

家づくりの打ち合わせで、
多くの方が一番時間をかけるのが「間取り」です。

・LDKは広くしたい
・収納は多い方がいい
・南向きのリビングがいい
・子ども部屋は将来仕切れるように

どれも間違いではありません。

しかし実際に住み始めてから、

「なんとなく使いにくい」
「動線が遠回りで疲れる」
「冬が寒い、夏が暑い」

そう感じる家は、少なくありません。
家は3回建てないと理想通りにならないと言われる
所以でもあると思います。

その原因は、
間取りを単なる“部屋の配置”として考えていることにあります。


間取りは「暮らしの設計図」

間取りとは、
単なる部屋の並びではありません。

・朝起きてから出かけるまでの流れ
・帰宅してからくつろぐまでの動線
・洗濯・収納・掃除のしやすさ
・家族が自然に顔を合わせる距離感

これらすべてを含めた、
暮らしそのものの設計図です。

ここを間違えると、
どんなに高性能な家でも、
どんなにデザインが良くても、
「住みにくい家」になります。


よくある「間取りの失敗パターン」

実際の現場でよく見る失敗には、共通点があります。

① LDKを広くしすぎる

数字上は立派でも、

・冷暖房が効きにくい
・家族がバラける
・掃除が大変

結果として、
**「落ち着かない空間」**になります。


② 収納を増やしすぎる

収納が多い=片付く、ではありません。

・動線と離れている
・奥行きが深すぎる
・使い勝手が悪い
・無駄にものをため込んでしまう

こうした収納は、
**ただの「物置部屋」**になります。


③ 採光を「南向き」だけで考える

南向きリビング=明るい、とは限りません。

・隣家で日が遮られる
・冬は思ったより日が入らない
・夏は直射日光で暑すぎる
・人目が気になりカーテンで遮る

結果として、
窓を増やし、
カーテンを閉めっぱなしになり、
開放感のない、性能が下がる家になります。


間取りは「土地」と切り離せない

「いい土地」が家づくりを成功させるとは限らない ― 土地と家の本当の関係で書いた通り、
間取りは土地と完全にセットです。

・土地の形
・周囲の建物
・道路の位置
・風向き
・日射の入り方

これらを無視して
「理想の間取り」をはめ込むと、
必ず無理が出ます。

設計とは、
土地の欠点を、間取りでどう解決するか
という作業でもあります。


田村工務店が「ヒアリング」に時間をかける理由

私たちは、
いきなり間取りを描きません。

まず最初に聞くのは、

・今の暮らしの不満
・朝と夜の過ごし方
・家事の流れ
・家族の距離感
・将来の変化

最初に、思い描く暮らしに必要な家の大きさを算出します。
家の大きさの目安がわかれば、必要な土地面積も見当がつきます。

これは家と土地の広さの目安であり、間取りとは別物です。

その理由は、図面よりも、
暮らしの中身の方が重要だからです。

ここを飛ばして描かれた間取りは、
ほぼ確実にズレます。


シンプルノートの間取り思想

シンプルノートの家は、
一見すると「シンプルすぎる」間取りに見えます。

・廊下が少ない
・部屋数が最小限
・収納が壁の中に溶け込んでいる
・無駄なスペースがない

これはデザインのためではありません。

「暮らしやすさ」を考え、無駄を削ぎ落とした結果です。

・移動距離を短くする
・空間を多用途化する
・掃除とメンテナンスを楽にする

こうした思想が、
間取りに反映されています。


「将来の暮らし」まで設計に入れる

良い間取りは、
今だけでなく、将来まで良い影響をもたらします。

・子どもが独立した後
・夫婦2人になった後
・年を重ねてからの動線
・介護や通院が必要になった時

これらを想定せずに作った間取りは、
10年後、20年後に残念ながら使いにくくなります。

田村工務店では、
「今の理想」より
**「将来の普通」**を基準に設計しています。


間取りは「性能」を決めてしまう

ここが非常に重要です。

・吹き抜けの位置
・窓の数と大きさ
・部屋の配置
・太陽の日射取得や日射遮蔽

これらはすべて、
断熱・気密・換気性能に直結します。

つまり、
性能は、設備や部材の性能値だけではなく
間取りも大きな要素となるのです。

この話は、
次の「性能はなぜ設計から決まるのか」で詳しく書きます。


まとめ|良い間取りは「派手さ」がない

しっくりくる良い間取りには、
分かりやすい派手さはありません。

・なんとなく楽
・無意識に動ける
・掃除が苦にならない
・落ち着く

こうした感覚は、
すべて間取りの設計で決まっています。

家づくりで迷ったら、
図面を見るのではなく、

「この家で、どんな一日を過ごすか」

そこから逆算してみると良いと思います。

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