はじめに|多くの人が、いちばん大事な順番を間違えています
家づくりを考え始めた方とお話ししていると、
ほぼ同じ流れになります。
・まず住宅展示場に行く
・間取りの希望をまとめる
・土地情報を見始める
・住宅会社を何社か回る
これは、
ごく自然な行動です。
でも実は、
この順番そのものが、失敗の入り口になっていることが
とても多いのです。

結論|家づくりのスタート地点は「お金」です
まずは結論からお伝えします。
家づくりの正しいスタート地点は、
間取りでも、土地でも、住宅会社でもありません。
「お金」です。
もっと正確に言うと、
人生全体を見据えた資金計画です。
なぜ多くの人が順番を間違えるのか
ほとんどの住宅会社は、
こういう流れで話を進めます。
・どんな家が欲しいですか?
・どんな間取りが理想ですか?
・ご予算はいくらですか?
この流れ自体が、
すでにズレています。
なぜなら、
・「欲しい家」
・「理想の間取り」
・「今の年収から借りられる金額」
これだけで家を決めると、
建てたあとに苦しくなる確率が上がるからです。
(この話は、「家を建てたあとに苦しくなる人・ならない人の違い」で詳しく書いています。)
田村工務店が、いきなりプランを描かない理由
田村工務店では、
最初から間取りは描きません。
それを言うと、
ほぼ必ずこう言われます。
「え、先に間取りを見せてもらえないんですか?」
正直に言います。
見せられません。
というより、
見せてはいけないと思っています。
なぜなら、
・その人の人生設計
・教育費
・老後資金
・働き方の変化
・将来の住み替え可能性
こうした前提が何も決まっていない状態で
描いた間取りは、
“ズレた家”になるからです。
スタート地点①|人生ベースの資金計画
田村工務店では、
外部のライフプランナーに
資金計画をお願いしています。
しかも、
・住宅会社と利害関係がない
・お金の専門家
・目先の受注を最優先しない
こういう立場の人です。
ここでやるのは、
・今いくら借りられるか
・いくらの家なら買えるか
ではありません。
「この人生プランで、
いくらまでなら無理なく住み続けられるか」
を可視化します。
この時点で、
・家づくり自体を見送る人
・数年後に延期する人
も、普通に出てきます。
でも、それでいいと思っています。
スタート地点②|「家に使っていい上限額」を決める
次にやるのが、
家に使っていい上限額を決めることです。
ここでよくあるのが、
・銀行が貸してくれる金額
・営業マンに言われた予算
・友人が建てた金額
こういう基準で決めてしまうこと。
これは危険です。
なぜなら、
「借りられる」と
「無理なく返せる」は
まったく別物だからです。
スタート地点③|間取りではなく「必要な家の大きさ」を先に決める
ここで、多くの方が驚かれます。
田村工務店(シンプルノート)では、
いきなり間取りは描きません。
でも、その前に必ずやることがあります。
それが、
「そのご家族にとって、本当に必要な家の大きさ」を割り出すことです。
よくある家づくりは、
・まず土地を探す
・その土地に合わせて間取りを考える
・気づいたら、家がどんどん大きくなる(小さくなる)
という流れです。
でも、このやり方だと、
・「とりあえず入るから」
・「将来使うかもしれないから」
・「せっかくだから」
という理由で、
ほぼ確実に家が大きく(高く)なります。
また、その逆で、
良いと思って買った土地でも、
必要な家の広さを割り出してみたら、
思ったよりも土地が狭く、
家を小さくしなければならないこともあります。
その結果、
・「理想の間取りが実現しない」
・「部屋数が足りない」
・「使い勝手がわるい」
と、土地によって間取りに大きな制限を受けてしまうことも。
シンプルノートの家づくりでは、
・どんな暮らしをしたいか
・何に時間を使いたいか
・どんな日常を大事にしたいか
こうした「理想の暮らし」から逆算して、
・本当に必要な部屋数
・必要な収納量
・必要な延床面積
を、現実的に割り出します。
ここで初めて、
「だいたい〇〇坪くらいが適正ですね」
という目安が出ます。

この時点では、
まだ土地は決まっていません。
でも、
「この大きさの家が、無理なく建つ土地を探そう」
という軸が、ここで初めて生まれます。
(この話は、「その間取り、本当に暮らしやすいですか?」で詳しく書いています。)
スタート地点④|土地探しは“家の大きさ”が決まってからでいい
③で「必要な家の大きさ」が決まって、
初めて土地探しに進みます。
この順番にすると、
土地探しの精度が一気に上がります。
よくある失敗が、これです。
・先に土地を買う
・その土地に家をはめ込む
・思ったより家が小さくなる
・収納が足りなくなる
・無理な間取りになる
この状態で、
「まあ、仕方ないですね」
と妥協してしまう方が多いです。
一方で、
・必要な家の大きさが分かっている
・必要な建築面積が分かっている
・駐車場や庭の優先順位も分かっている
この状態で土地を探すと、
・「この土地は狭すぎる」
・「この土地なら無理なく入る」
・「ここは変形地だけど問題ない」
という判断が、
冷静にできるようになります。
つまり、
「いい土地」から探すのではなく、
「この家が建つ土地」から探す
この順番が、
結果的にいちばん無駄がありません。
(この話は、「いい土地が家づくりを成功させるとは限らない」で詳しく書いています。)
スタート地点⑤|住宅性能は“途中で削れない”
最後に決めるべきなのが、
断熱・気密・換気です。
…と言いたいところですが、
実はここは最後ではありません。
最初から最低ラインを決めておくべき項目です。
なぜなら、
・お金が足りなくなった
・予算を削りたい
こうなったとき、
ここを削ると一生取り返しがつかないからです。
性能は最後の帳尻合わせで決めるのではなく、
最初の段階である程度は決めておくのがおすすめです。
(この話は、「断熱・気密・換気は、あとから良くすればいいは通用しない」で詳しく書いています。)
まとめ|おすすめの順番は、こうなります
田村工務店が考える
家づくりの正しいスタート地点と順番は、
こうです。
- 人生ベースの資金計画
- 家に使っていい上限額の決定
- 家の広さの割り出し
(建築予算の目安がわかる) - 土地探し
(土地に使える予算の目安がわかる) - 間取り
- 性能ラインの最終確定
- 住宅会社の最終選定
この順番で進めると、
・途中で破綻しない
・後悔が圧倒的に減る
・判断に迷わなくなる
という状態になります。
最後に|「早く決めたい人」ほど、ゆっくり始めてください
家づくりで失敗する人ほど、
こう言います。
「早く決めたいんです」
「いい物件が出たので急いでます」
その気持ちは、よく分かります。
でも、
一生住む家を、数週間で決める
この感覚自体が、
すでに危うと思います。