はじめに|正直、よく聞かれる質問です
はじめてお会いした方から、
よく聞かれます。
「年間、何棟くらい新築を建てているんですか?」
正直に答えると、
だいたい 2〜4棟 です。
すると、
「え、少なくないですか?」
「それで会社として大丈夫なんですか?」
面と向かって言葉では言われませんが
一瞬、そのような空気感につつまれます(笑)
今日は、その質問に
できるだけ正直にお答えします。
結論|“戦略的に絞っている”というより、“今はやれない”
まず最初に、
きれいごとを言うのはやめて、
田村工務店が新築を少ししかやらないのは、
「棟数を絞る経営戦略です」
「あえて選んでいます」
…という話だけではありません。
単純に、今の体制ではこれ以上やれない
というのが実情です。
実情①|リフォーム・修繕が年間300件以上ある
田村工務店は、
新築専門の会社ではありません。
創業44年、
これまでお世話になったお客様がたくさんいます。
その方々から、
・水漏れ
・給湯器の故障
・外壁や屋根の補修
・建具の不具合
・ちょっとした修繕
こうした相談が、
日常的に入ってきます。
年間で数えると、
300件以上のリフォーム・修繕対応を
少人数の体制で回しています。
正直に言うと、
それだけで手一杯な部分もあります。

実情②|アフターメンテナンスに回り切れていない
本当は、
もっとこまめにアフターメンテナンスに
回りたいと思っています。
でも、
現実には回り切れていません。
その代わりにやっているのが、
・毎月のニュースレターの送付
・定期点検・メンテナンスの案内
・そこから入ってくるご相談対応
というやり方です。
「こちらから全部回れていない」
これは、正直に言うと
反省点でもあります。
実情③|既存のお客様を優先すると、新築が後回しになる
田村工務店では、
基本的な考え方があります。
「お世話になったお客様を、後回しにしない」
創業して40年以上、
何十年も前に建てた家のことで
今でも相談をもらいます。
その相談に、
「今、新築で忙しいので無理です」
とは、言えません。
結果として、
・新築の打合せ
・新築の設計
・新築の営業活動
これらに割ける時間が、
どうしても限られます。
実情④|営業をしていない。営業マンもいない
もうひとつ、
正直に言っておきたいことがあります。
田村工務店は、
・積極的な営業活動をしていません
・営業マンもいません
新築のお客様のほとんどは、
ご紹介です。
OBのお客様や、
地域の方からの紹介で
ゆっくり増えています。
「もっと新築を増やそう」と思えば、
広告を出すことも
営業マンを雇うこともできます。
でも、
今の体制のまま集客だけ増やすと、
確実にパンクします。
じゃあ、なぜそれでも新築を続けているのか?
ここまで読むと、
こう思われるかもしれません。
「それなら、新築やめた方が
楽なんじゃないですか?」
正直、
それも経営判断の1つだと思います。
リフォームと修繕だけでも、
会社はやっていけるかもしれません。
それでも新築をやめない理由が、
それでも新築に向き合いたい理由が、
あります。
「最初から、良い家を建てたい」
その相談に、応えたいからです。

実は、
田村工務店が新築をたくさんやらない理由は、
実務的な事情だけではありません。
ここまで書いてきた実情の上に、
以下のブログ記事でお伝えしてきた
“考え方”が重なっています。
理由①|資金計画を甘くしたくない
「家を建てた後に苦しくなる人・ならない人の違いは、契約前に決まっている」で書いた通り、
田村工務店では、
いきなりプランを描きません。
まず、
外部のライフプランナーによる
資金計画を入れます。
家を建てるための建築予算のプランではありません。
家族としてのライフプランです。
この時点で、
面倒だな~と思う方も多いと思います。
「早くプランを見たい」
「先に土地を決めたい」
そう言われることも多いですが、
軽はずみに「だったら、やらなくても良いですよ~」
とは、言いません。
結果として、
・途中でやめる人
・今は建てない判断になる人
も、普通に出てきます。
当然、
棟数は増えません。
理由②|土地を“勢い”で決めさせたくない
「土地と家の本当の関係」で書いた通り、
土地ありきの家づくりはしません。
その土地で、
・どんな間取りになるのか
・どんな性能になるのか
・どんな暮らしになるのか
ここを検証せずに
「買っていいですよ」とは言いません。
その結果、
・土地を見送る
・探し直す
・建築自体を延期する
こうなる方も、普通にいます。
これも、
棟数が増えない理由のひとつです。
理由③|間取りを“要望通り”にしない
その間取り、本当に「暮らしやすい」ですか?で書いた通り、
田村工務店の間取りは、
シンプルノートの設計思想を取り入れています。
・廊下を極力つくらない
・無駄な部屋をつくらない
・将来使わないスペースをつくらない
「それでも欲しいです」
と言われれば、
設計的に、そして資金的に無理でない限り
最終的には尊重します。
でも、
その前に必ず止めます。
家に対する価値観の違いは人それぞれ、
違いは違いであって、決して間違いではない。
合わなければ、他社に行く方もいます。
理由④|性能ラインを下げられない
断熱・気密・換気は「あとから良くすればいい」は通用しないで書いた通り、
断熱・気密・換気は後付けできません。
だからこそ、
・最低限このラインは必要
・ここを削るなら意味が薄くなる
という基準があります。
「そこまで求めていません」
「もう少し安くなりませんか?」
そう言われると、
正直、相性はよくありません。
ここでも、
お断りされることがあります。
理由⑤|誰とでもやりたいわけではない
「あなたに合う工務店、合わない工務店」で書いた通り、
田村工務店は万人向けの会社ではありません。
・ライフプラン相談は必須
・花巻の工場まで見学に行く
・先にプランを見れない
・決まるまで時間がかかる
これを「面倒くさい」と感じる方には、
たぶん合いません。
でも、
・ちゃんと考えたい
・止めてほしい
・後悔したくない
・根拠のある家づくりをしたい
そういう方とは、
とことん向き合いたいと思っています。
まとめ|少ないのは、現実と方針の両方です
田村工務店が
年間3〜4棟しか新築をやらない理由は、
・少人数で
・リフォーム・修繕が300件以上あり
・アフターにも回り切れておらず
・既存客を優先していて
・営業もしておらず
物理的に、今はやれないからです。
そのうえで、
・資金計画を甘くしない
・土地を勢いで決めさせない
・間取りを要望通りにしない
・性能を下げない
・合わない人とは無理にやらない
こういうやり方も、
あえて選んでいます。
最後に|それでも、新築の相談は断りません
誤解しないでほしいのは、
新築の相談自体を
断っているわけではありません。
ただ、
・急いで建てたい
・とにかく安く建てたい
・あまり考えたくない
そういう方には、
正直向いていません。
でも、
・納得した家づくりがしたい
・暴走しそうな時はちゃんと止めてほしい
・無理のない予算で建てたい
そう思っているなら、
時間はかかりますが、
きちんと向き合います。